分子レベルの精度で呼吸器領域のニーズに対応する

ラボ環境で、科学者がボトルから容器へ慎重に液体を注いでいる

COVID-19 パンデミック以降、インフルエンザ、RSV、ライノウイルスなどの呼吸器ウイルスが予測不能な季節外の波で再流行し、従来のパターンを乱し、診断の不確実性を増大させています 1 。この変化により、今日のラボにはこれまで以上の俊敏性、拡張性、精度が求められています。

症状の重複と新たな脅威

呼吸器ウイルスはしばしば非特異的な症状(咳、発熱、呼吸困難など)を共有するため、症候群のみでの判断は信頼できる指標になりません。そのため、診断の正確度はラボ検査にかかっています。しかし、循環する呼吸器病原体の数は増加し、解釈の複雑さも増しています。単一検体に複数のウイルスが含まれることもあり、重感染はこれまで考えられていたよりも一般的で、小児や免疫不全患者では最大 20% の症例で発生しています2

このような状況から、単一検体から複数の病原体を検出可能な多重呼吸器パネル、すなわち分子アッセイへの依存度が高まっています。一方で、健康な患者に対する症候群アッセイの有用性には依然として疑問が残ります。一般的な呼吸器ウイルスパネルの多くの結果は、この集団における診療方針に影響を与えないことが多いため、ターゲット検査が望ましい場合もあります3

自動化とランダムアクセス検査の重要性

予測困難な流行への迅速な対応能力は、もはや選択肢ではなく不可欠です。ホロジックの Panther Fusion® は、オープンかつランダムアクセス設計により、ラボの迅速な対応を可能にします。

一つの検体で多くの答え

多重 PCR プラットフォームは、いまや診断の要となっています。繰り返しの採取が不要となり、全体の所要時間を短縮し、混合感染の検出力を高めると同時に、臨床スタッフの負担も軽減します。

インフルエンザ、RSV、SARS-CoV-2 が「トリプル脅威」として同時に流行する呼吸器シーズンにおいて、信頼できる多重検査は不可欠です。2023 ~ 2024 年のフランスの監視データでは、これら 3 つのウイルスが同時に流行し、統合された高性能診断の緊急性が浮き彫りになりました4

自動化だけが拡張可能なソリューション

世界中で人材不足がラボを圧迫しています。米国臨床病理学会(ASCP)の最近の調査では、分野によっては空席率が最大 25% に達し、手作業の負担を減らし効率的に拡張できるシステムの必要性が一層高まっています5。自動化プラットフォームは、追加人員や残業なしでも流行時のスループットを維持し、この課題に直接対応します。

パンデミック対策としての診断

病原体の多様化が進み、人獣共通感染症リスクも増大しています。2022 年の Communications Biology の分析では、数十種類の新規ウイルスがヒトへの感染可能性を持つことが示されました6

世界的にパンデミック対策への関心が高まる中、診断プラットフォームには幅広さと適応力の両方が求められます。中でもオープンアクセス構造を持つ分子システムは、この拡大する状況に柔軟に対応できます。

先を見据え備える:リアクティブからレディへ

次世代の呼吸器診断には、単なるスピード以上のものが求められます。先見性、柔軟性、統合力が不可欠です。拡張性・自動化ソリューションを活用することで、ラボは受動的な検査から公衆衛生レジリエンスの積極的担い手へと進化できます。

目標は感染症の特定だけでなく、医療システムが明確かつ迅速で確実な対応を可能にすることです。

より多くのインサイト記事については、インサイト&イノベーションをご覧ください。

    1. Adlhoch, C., Pastore R. L., et al. (2024). Characterising the asynchronous resurgence of common respiratory viruses following the COVID-19 pandemic. Nature Communications, 15, 2226. https://doi.org/10.1038/s41467-025-56776-z
    2. Babawale, P.I.; Guerrero-Plata, A. Respiratory Viral Coinfections: Insights into Epidemiology, Immune Response, Pathology, and Clinical Outcomes. Pathogens 2024, 13, 316. https://doi.org/10.3390/pathogens13040316 https://www.mdpi.com/2076-0817/13/4/316
    3. American Society for Microbiology. (2020). Making Sense of Respiratory Viral Panel Results. https://asm.org/articles/2020/march/making-sense-of-respiratory-viral-panel-results
    4. Chauvel C., et al. (2025). Community and hospital-based laboratory surveillance for influenza, RSV, and SARS-CoV-2 during the 2023–2024 season, Lyon, France. Authorea. https://doi.org/10.22541/au.174151638.88456325/v1
    5. https://myadlm.org/advocacy-and-outreach/adlm-policy-reports/2023/adlm-whitepaper-on-overcoming-lab-staffing-shortages. 2025 年 7 月にアクセス
    6. Pandit, P.S., Anthony, S.J., Goldstein, T. et al. Predicting the potential for zoonotic transmission and host associations for novel viruses. Commun Biol 5, 844 (2022). https://doi.org/10.1038/s42003-022-03797-9

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